SEASONS COLOURS-春夏撰曲集-

松任谷由実( Matsutoya Yumi ) SEASONS COLOURS-春夏撰曲集-歌詞
1.ダンデライオン ~遅咲きのたんぽぽ

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

夕焼けに小さくなる くせのある歩き方
ずっと手をふり 続けていたいひと

風に乗り飛んで来た はかない種のような
愛はやがて来る 冬を越えてゆく

きみはダンデライオン
傷ついた日々は 彼に出逢うための
そうよ 運命が用意してくれた
大切なレッスン
今 素敵なレディになる

つみとってささげたら ひとに笑われそうな
私にできる全てをうけとって

ふるさとの両親が よこす手紙のような
ぎこちないぬくもりほど泣きたくなる

きみはダンデライオン
本当の孤独を 今まで知らないの
とても幸せな淋しさを抱いて
これから歩けない
私はもう あなたなしで

とても幸せな 淋しさを抱いて
これから歩けない
私はもう あなたなしで


2.卒業写真

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

悲しいことがあると 開く皮の表紙
卒業写真のあの人は やさしい目をしてる

町でみかけたとき 何も言えなかった
卒業写真の面影が そのままだったから

人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くでしかって

話しかけるように ゆれる柳の下を
通った道さえ今はもう 電車から見るだけ

あの頃の生き方を あなたは忘れないで
あなたは私の 青春そのもの

人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くでしかって
あなたは私の 青春そのもの


3.最後の春休み

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

春休みのロッカー室に
忘れたものをとりに行った
ひっそりとした長い廊下を
歩いていたら泣きたくなった

目立たなかった私となんて
交わした言葉数えるほど
アルファベットの名前順さえ
あなたはひどくはなれてた

※もしもできることなら
この場所に同じ時間に
ずっとずっとうずくまっていたい※

もうすぐ別の道を歩き
思い出してもくれないの
たまに電車で目と目があっても
もう制服じゃない

窓の近くのあなたの机
ひとりほおづえついてみる
ふたをあけると紺のボタンが
隅のほこりにまぎれてた

(※くり返し)

もうすぐ別の道を歩き
思い出してもくれないの
そよ風運ぶ過ぎたざわめき
今は春休み 今は春休み 最後の春休み


4.ハルジョオン・ヒメジョオン

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

川向こうの町から 宵闇が来る
煙突も家並みも 切り絵になって
哀しいほど紅く夕陽は熟れてゆくの
私だけが変わり みんなそのまま
ヒメジョオンに埋もれてくちづけをした
土手と空のあいだを風が渡った
哀しいほど紅く川面はゆれていたの
越していった日から顔も忘れた

哀しいほど紅く 心は燃えているの
思い出すそばから 葬るくせに
哀しいほど紅く夕陽は熟れてゆくの
私だけが変わり みんなそのまま


5.花紀行

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

見知らぬ町を ひとり歩いたら
風は空から 花びら散らす
過ぎゆく春の 投げる口づけは
髪に両手に はらはら停まる

この場所で嵐見送れば
時の流れに 埋ずもれてしまう

薄紅が なんて優しいの
拾い集める人もいないのに

見知らぬ町を ひとり歩いたら
風は空から 花びら散らす
髪に両手に はらはら停まる


6.大連慕情

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

アカシアのかおりが 今も少し漂う
母にあてた手紙 きのうみつけた
黄ばんだびんせんに そそぐ陽ざし さえぎり
雀遊ぶ影は 果てない空へ
返事は ついたのですか 遠い日の異国へ
父よ あなたに 似合ったでしょう 春の大連

丘の上のベンチ ひとり海を見てると
舟出のさざめきが せつなく遠く
陸風がふくころ 港は暮れなずむの
あなたが生きてたら そぞろ歩こう
面影は月のように おぼろに見え隠れ
今も たずねれば 会えそうな 秋の大連

返事は ついたのですか 遠い日の異国へ
父よ あなたに 似合ったでしょう 春の大連


作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

銀の花が散ってる 風と陽ざしの中で
知らない町に来てる
目を閉じてかすかに響く列車の音に
心はゆられているの

遠く旅をしてても
きっと Do you love me?

今は見えない未来に
たったひとつの道しるべ

銀の花の押し花栞にしてはさんだ
好きな詩のフレーズに
いつの日か誰かと開いて見つけたとき
笑えるような一途さで

やっと出逢えたときは
きっと Do you love me?

なつかしすぎる未来が
たったひとつの探しもの

遠く旅をしてても
きっと Do you love me?

今は見えない未来に
たったひとつの道しるべ

なつかしすぎる未来が
たったひとつの探しもの


8.緑の町に舞い降りて

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

輝く五月の草原を
さざ波はるかに渡ってゆく
飛行機の影と雲の影
山すそかけおりる
着陸ま近のイヤホーンが
お天気知らせるささやき
MORIOKAというその響きが
ロシア語みたいだった

三つ編みの髪をほどいてごらん
タラップの風が肩にあつまる
もしも もしもこの季節
たずね来ればきっとわかるはず
あなたが気になりだしてから
世界が息づいてる

銀河の童話を読みかけて
まどろみ 心ははばたく
あてもなく歩くこの町も
去る日は涙がでるわ

セロファンのような午後の太陽
綾とる川面をゆっくり越えて
いつか いつかこの季節
たずね来ればきっとわかるはず
誰かが気になりだしてから
世界が息づいてる
新しい笑顔お土産に誰かのもとへ帰る


9.丘の上の光

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

すみれ色のまま夕暮れを止めて
新しい自転車で高原をすべる
夏へ急ぐ空 おだやかに翳り
このまま二人ずっと漕いでゆきたいの

いつしか今日の日も想い出に
少しずつかわる

今 大事なのは前をゆくあなたが
綺麗なシルエットになっていること
向かい風そっと ほほつねってみて
愛し始めた気持 まぼろしかどうか

いつしか 今日の日も想い出に
少しずつかわる

すみれ色のまま夕暮れを止めて
流れる雲のように丘へ上ぼるまで
ひととき神様 息をかけないでね
素敵な光ほど移ろうのだから


10.まぶしい草野球

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

風の外野席 手のひらかざして
青い背番号 たしかめてみる

エラーの名手に届けるランチは
クローバーの上 ころがしたまま

まだ季節浅く 逆もどりの天気もあるわ
やっと気づいてくれた
その心の行方のように

寝坊できる休みの日にも
なぜあわててとんでゆくの
そんなに夢中にさせるもの のぞいてみたい

ちょっと高いフライ 雲に溶けてボールが消えた
今日はじめて見た あなたがまぶしい草野球

ちょっと高いフライ 雲に溶けてボールが消えた
今日はじめて見た あなたがまぶしい草野球


11.サンド キャッスル

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

ひとりで出かけた砂浜で
キャッスル作った 午前中
もうすぐ 満ちて来る潮に
崩れ去るのを待ってる
さよなら さよなら 長い恋

陽差しが翳った 遊歩道
季節が戻って まだ寒い
ナイロンのコートのすそが
そよ風に泣いているわ
ごめんね ごめんね つらい恋
世界で一番 幸せと信じてた
もういつだってゴールインねと
からかわれてた
砂のお城に住んでた
プリンセスとプリンスね
Somebody to kiss, Somebody to hug, Somebody to love

くるくる散ってたプラタナス
気取って歩いた うでをくみ
どこまでも続くみたいに
アーチが流れていった
さよなら さよなら 長い恋

いつか近くに寄せて来ていた波が
心の中の足あとさえも
さらってゆくの
誰もがうらやむような
二人になれなかったね
Somebody to kiss, Somebody to hug, Somebody to love

波のフレアー 白いレースの泡に
こわさ知らずなきらめく日々が
崩れてゆくわ
砂のお城に住んでた
プリンセスとプリンスね
Somebody to kiss, Somebody to hug, Somebody to love
誰もがうらやむような
二人になれなかったね
Somebody to kiss, Somebody to hug, Somebody to love


12.潮風にちぎれて

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

泳ぐにはまだはやい
よせ来る波 くるぶしまで
あなたの好きな このサンダル
なぜはいてきたんだろう

砂浜にうちよせた
木ぎれひろい 沖へ投げた
あなたと歩いた年月を
けちらしてみたかった

なぜ泣けないのかな
ひどく淋しいのに

吹きすさぶ潮風に
あなたは息を止めていた
かわいい彼女のこと
これから自由に愛しなさいよ

国道に止まってる
小さな車 指さして
うそでも わたしは背をむける
恋人が待ってると

今ふりむいたらなら
心くじけるから

吹きすさぶ潮風に
わたしは まぶた閉じていた
あなたと来なくたって
わたしはもとから この海が好き


13.ランチタイムが終わる頃

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

会えるはずのないあなたの姿も
見つけられそうに混んだレストラン
みじめなうわさが届かないように
気の早い半袖で来てみた

手紙も出せぬほど忙しいのよ
話しかけられて微笑みかえす

ほら チャイムを鳴らし コーヒー冷まし
もうすぐランチタイムが終わる
日向で語らう人々は急ぎ
また白いビルに吸い込まれる
私と鳩だけ舗道に残って
葉裏のそよぎをながめていた

かすかに響いて来る地下鉄に乗り
はやびけをしたい そんな午後です

ほら チャイムを鳴らし 背中をたたき
もうすぐランチタイムが終わる
チャイムを鳴らし 背中をたたき
もうすぐランチタイムが終わる


14.ベルベット・イースター

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

光るしずく 窓にいっぱい
ベルベット・イースター
むかえに来て
まだ眠いけどドアをたたいて

空がとってもひくい
天使が降りて来そうなほど
いちばん好きな季節
いつもとちがう日曜日なの

ベルベット・イースター
きのう買った
白い帽子 花でかざり
ベルベット・イースター
昔ママが好きだった
ブーツはいていこう

空がとってもひくい
天使が降りて来そうなほど
いちばん好きな季節
いつもとちがう日曜日なの

ラー、ララララ………


15.経(ふ)る時

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

窓際では老夫婦が
ふくらみだした蕾をながめてる
薄日の射す枯木立が
桜並木であるのを誰もが忘れていても
何も云わず やがて花は咲き誇り
かなわぬ想いを散らし 季節はゆく

二度と来ない人のことを
ずっと待ってる気がするティールーム
水路に散る桜を見に
さびれたこのホテルまで

真夏の影 深緑に
ペンキの剥げたボートを浸し
秋の夕日細く長く
カラスの群れはぼんやり
スモッグの中に溶ける

どこから来て どこへ行くの
あんなに強く愛した気持も憎んだことも
今は昔
四月ごとに同じ席は
うす紅の砂時計の底になる
空から降る時が見える
さびれたこのホテルから


16.春よ、来い

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

淡き光立つ 俄雨
いとし面影の沈丁花
溢るる涙の蕾から
ひとつ ひとつ香り始める

それは それは 空を越えて
やがて やがて 迎えに来る

春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
愛をくれし君の なつかしき声がする

君に預けし 我が心は
今でも返事を待っています
どれほど月日が流れても
ずっと ずっと待っています

それは それは 明日を越えて
いつか いつか きっと届く

春よ まだ見ぬ春 迷い立ち止まるとき
夢をくれし君の 眼差しが肩を抱く

夢よ 浅き夢よ 私はここにいます
君を想いながら ひとり歩いています
流るる雨のごとく 流るる花のごとく

春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
愛をくれし君の なつかしき声がする

春よ まだ見ぬ春 迷い立ち止まるとき
夢をくれし君の 眼差しが肩を抱く


17.海に来て

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

遅すぎた春の告白残して
逃げるように ここへひとり来ていた

素足は引き潮に埋もれて
心はあなたへ寄せてゆく
のめりそうな影を 風が抱いてる

どんな不安にかられても
時は戻りはしない

なんて孤独な Ah 私だった
あなたを愛す hum 前の私

あなたと離れて すごしてる日々が
かなりつらくても 微笑めるように

瞳はきらめく沖を見て
乱れる髪 耳でおさえて
泣きそうな気持ち 波がさらうよ

どんな言葉で飾っても
きっと嘘はつけない

なんて孤独な Ah 私だった
あなたを愛す hum 前の私

なんて強がりな Ah 私だった
あなたを愛す hum 前の私


18.やさしさに包まれたなら

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

小さい頃は神さまがいて
不思議に夢をかなえてくれた
やさしい気持で目覚めた朝は
おとなになっても 奇蹟はおこるよ

カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ

小さい頃は神さまがいて
毎日愛を届けてくれた
心の奥にしまい忘れた
大切な箱 ひらくときは今

雨上がりの庭で くちなしの香りの
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ

カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ


19.雨のステイション

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

新しい誰かのために
わたしなど 思い出さないで
声にさえもならなかった あのひと言を
季節は運んでく 時の彼方
六月は蒼く煙って
なにもかもにじませている

雨のステイション
会える気がして
いくつ人影見送っただろう

霧深い町の通りを
かすめ飛ぶつばめが好きよ
心 縛るものをすててかけてゆきたい
なつかしい腕の中 今すぐにも
六月は蒼く煙って
なにもかもにじませている

雨のステイション
会える気がして
いくつ人影見送っただろう
雨のステイション
会える気がして
いくつ人影見送っただろう


20.悲しいほどお天気

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

上水ぞいの小径をときおり選んだ
夏の盛りの日もそこだけ涼しくって

名もない蔦や柳がひくくたれこめて
絵を書く私達 それぞれひとりにさせた
まるで先の人生を暗示するように

みんなまだ
気づかず すごしていたんだわ
ずっといっしょに歩いてゆけるって
だれもが思った ム・ム…

拝啓。今はどんな絵 仕上げていますか
個展の案内の葉書きがうれしかったの
臆病だった私は平凡に生きている

みんなまだ
信じてすごしていたんだわ
ずっといっしょに歩いてゆけるってだれもが…

いつまでも
私の心のギャラリーにある
あなたの描いた風景は
悲しいほどお天気 ム・ム…


21.遠雷

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

黙ったまま流れる午後
窓つたう雫 冷めたカップ
ペイズリーの煙草のけむり

嫌われようとしてたのね
もういいわ 意気地なし
気づかぬふりをして ひきとめただけ

過ぎた日々に 耳を寄せる
乾いた巻き貝 はじけた恋
閉じ込めてた ビー玉の泡

灯りはまだつけないでね
仄白い部屋中の ぼやけた輪郭が消えてゆくまで

ああ 紫陽花の雨 エメラルドの涙
二人 膝をただかかえ聴いている

名前もまだ知らない頃
ふりかえった肩 もう見れないの
あの眩しいブロンズの肌

こんなに近くにいるのに
なぜか思い出せない
本気で怒ったり 泣いたことさえ

ああ 遠雷の音 キャノンボールみたい
新しい夏 もうそこに来てるのに

ああ 紫陽花の雨 エメラルドの涙
二人 膝をただかかえ 聴いている

ああ 遠雷の音 キャノンボールみたい
新しい夏 もうそこに来ているの


22.夕涼み

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

DAYDREAM 灼けつく午後
水撒きしてはしゃいだ あのガレーヂ
HEY! DREAM ゴムホースで
きみがふと呼び込んだ虹の精

みがいたルーフを金の雲が um… 流れた

窓を開けて 風を入れて
むせるくらい吸い込んだね
二人きりの夕涼みは
二度と来ない季節

STAY DREAM 傾いてく
陽差しの魔法はとてもはかないね
SAY DREAM 願いごとは
叶いそうになったら教えるよ

笑った瞳に細い月が um… 映った

濡れた髪と 焼けたうなじ
むせるくらい抱きしめたね
二人きりの夕涼みは
哀しすぎる記憶

窓を開けて 風を入れて
痛いくらい吸い込んだね
濡れた髪と 焼けたうなじ
痛いくらい抱きしめたね
二人きりの夕涼みは
二度と来ない季節


23.月夜のロケット花火

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

防波堤に腰かけて 誰もがはしゃいだ
満月が海原に道を作ってた

黙らないでよ せつなくなるわ
波が聞こえる
ね、次はいちばん派手な花火に
火を点けるのよ

耳をふさぎ ちょっと離れてロケット弾
胸が踊り 急にはじける“スナイパー”
夜空をめがけ

マッチ擦るたびすぐに風が吹き消した
私達あきらめず夢を見たかった

来年はもう離ればなれね残暑の街で
ね、どこで会っても今までどおり
ばかを云ってね

高く上がれ 今年最後のロケット弾
白く照らせ 今夜最後のバケーション
夜空に消える

月に届け これが最後のロケット弾
みんな照らせ 心 シャッターを切るから
高く上がれ これが最後のロケット弾
白く照らせ これが最後のバケーション
子供でいたい

高く上がれ これが最後のロケット弾
白く照らせ これが最後のバケーション
夜空に消える


24.カンナ8号線

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

チェックのシャツが風にふくらむ
うしろ姿を
波をバックに焼きつけたかった
まぶたの奥に
それははかない日光写真
せつないかげろう
胸のアルバム閉じる日が来るの
こわかったずっと

雲の影があなたを横切り…

想い出にひかれて
ああ ここまで来たけれども
あのころの二人はもうどこにもいない

カンナの花が燃えてゆれてた
中央分離帯
どこへ行こうか待ちどおしかった
日よう日
いつかさそって昔のように
笑いころげたい
うらまないのもかわいくないでしょう
だから気にせずに

ドアを開けて波をきこうよ…

想い出にひかれて
ああ ここまで来たけれども
あのころの二人はもうどこにもいない

想い出にひかれて
ああ ここまで来たけれども
あのころの二人はもうどこにもいない
想い出にひかれて
ああ ここまで来たけれども
あのころの二人はもうどこにもいない
想い出にひかれて
ああ ここまで来たけれども
あのころの二人はもうどこにもいない


25.哀しみのルート16

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

涙に濡れたセンターライン フィルムのように流れてゆくよ
長距離便のひくいクラクション ふたり最後の航海の汽笛に

きこえて来る Route16
心変わり責めないわ

もっともっと好きだった もっともっとあなたより
思い出が多すぎて この道は遠すぎて
戻れない哀しみのRoute16

海が見たいと気まぐれ云って ひきとめたりはしていないけど
フロントグラスたたく雨粒 パイプラインが崩れるような音

きこえて来る Route16
別れに理由はないのなら

もっともっと会いたかった もっともっといつまでも
そのままのきみでいて 死ぬときもそばにいて
ささやいた約束のRoute16

涙に濡れたセンターライン フィルムのように流れてゆくよ
フロントグラスたたく雨粒 パイプラインが崩れるような音

きこえて来る Route16
心変わり責めないわ

もっともっと好きだった もっともっとあなたより
思い出が多すぎて この道は遠すぎて
戻れない哀しみのRoute16

そのままのきみでいて 死ぬときもそばにいて
ささやいた約束のRoute16

思い出が多すぎて この道は遠すぎて
戻れない哀しみのRoute16


26.真夏の夜の夢

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

骨まで溶けるような
テキーラみたいなキスをして
夜空もむせかえる
激しいダンスを踊りましょう

私 遠い夢は待てなかった

最後は もっと私を見て
燃えつくすように
さよなら ずっと忘れないわ
今夜の二人のこと

花火は舞い上がり
スコールみたいに降りそそぐ
きらきら思い出が
いつしか終って消えるまで

あなたの影 私だけのものよ

最後は もっと抱いて抱いて
息もできぬほど
さよなら ずっとアモーレ・アモーレ
この世であなたひとり

踊るライト まわるダンスフロア

カリビアン・ナイト もっと私を見て
燃えつくすように
さよなら ずっと忘れないわ
今夜の二人のこと

最後は もっと抱いて抱いて
息もできぬほど
さよなら ずっとアモーレ・アモーレ
この世であなたひとり

カリビアン・ナイト ああふけてゆくわ
もり上がるリズム
さよなら ずっと忘れないわ
今夜の二人のこと


27.恋の一時間は孤独の千年

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

隣り町もゆれる 花火の晩
光の降る川に 舟を出すの
Ding Dong 流れてゆきたいのずっと
暗い海にそそいでも
大切な荷物もみんな
捨てて腕の中へ
恋の一時間は孤独の千年

禁じられた恋は 瑠璃色の鳥
見えない夜なのに かごを抜ける
Ding Dong はばたいてみたいのずっと
誰かを悲しませても
帰る場所はもうないの
力尽きる日まで
恋の一時間は孤独の千年

たとえば10年後の花火の晩
約束の川辺に 呼び出してね
Ding Dong 人混みをすりぬけきっと
涙があふれるかしら
まだ愛し合っていても
遠くなっていても
恋の一時間は孤独の千年


28.DANG DANG

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

あなたにふさわしいのは私じゃないって
電話を切ったあとに思い切り泣いたあの日

だんだんとスピードをあげて走っていた
朝焼けの海辺を
DANG DANGとDANG DANG D-DANGと弾丸をぶち込んで
疲れたハートに

彼女は知らないなら友達になるわ
それしかあなたに会うチャンスはないもの今は

だんだんと哀しみよ高く押し寄せて
土用波のように
DANG DANGとDANG DANG D-DANGと派手に砕け散って
きのうをさらって

せまいこの街で顔を合わせ
交す微笑みに胸を痛め
ああ少しずつ ああ少しずつ
何にも感じなくなってゆくのね

だんだんと哀しみよ高く押し寄せて
土用波のように
DANG DANGとDANG DANG D-DANGと派手に砕け散って
きのうをさらって
DANG DANGとDANG DANG D-DANGと弾丸をぶち込んで
疲れたハートに


29.LATE SUMMER LAKE

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

すいたワインディングロード駆けおりると
鉛色したレイク
冷えてきた風がちぎってくシーズン
サングラスを走る雲

ああ 変わったね
もう どうだっていいけど

きみにとても会いたいよ
心が帰れないよ
鍵のおりたサマーハウスを
通りすぎても誰もいない

一夜限りのポロシャツ娘たち
今頃どうしてるだろう
お嫁に持ってゆかない思い出は
アルバムに貼りはしない

ねえ 恋しましょ
ねえ 誰だっていいから

※きみにとてもききたいよ
若さは幻かと
堕落は虹の光に
哀しいほど似ているかと※

きみにとても会いたいよ
心が帰れないよ
かすかに浮かんでたRainbow
消えてくようにやりきれない

(※くり返し)

きみにとても会いたいよ
心が帰れないよ


30.Hello, my friend

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

Hello, my friend 君に恋した夏があったね
みじかくて 気まぐれな夏だった
Destiny 君はとっくに知っていたよね
戻れない安らぎもあることを Ah.....

悲しくて 悲しくて 帰り道探した
もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて

Hello, my friend 今年もたたみだしたストアー
台風がゆく頃は涼しくなる
Yesterday 君に恋した夏の痛みを
抱きしめるこの季節走るたび Ah.....

淋しくて 淋しくて 君のこと想うよ
離れても 胸の奥の 友達でいさせて

僕が生き急ぐときには そっとたしなめておくれよ

悲しくて 悲しくて 君の名を呼んでも
めぐり来ぬ あの夏の日 君を失くしてから

淋しくて 淋しくて 君のことを想うよ
離れても 胸の奥の 友達でいさせて

悲しくて 悲しくて 君のこと想うよ
もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて


31.残暑

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

日傘をさし 土手を歩く
白い小さな イリュージョン
目を細めて 追いかけたの
夏をひきとめたくて

※ふとあなたの声が
去年の恋が
歌いながら 光りながら
耳をかすめた
ペダルをこいで並んだなら
しばらくそばにいて※

やがて雲は ちぎれながら
空色を深め
透きとおった心からの
葉書が出せる気がする

まだ あなたの声に
去年の恋に
立ち止まって 涙ぐんで
季節を知るの
そんなこよみをありがとうと
いつしか伝えたい

(※くり返し)

あなたの声に
去年の恋に 立ち止まって
涙ぐんで季節を知るの
そんなこよみをありがとうと
いつしか伝えたい


32.晩夏 (ひとりの季節)

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

ゆく夏に 名残る暑さは
夕焼けを吸って燃え立つ葉鶏頭
秋風の心細さは コスモス

何もかも捨てたい恋があったのに
不安な夢があったのに
いつかしら 時のどこかへ置き去り

空色は水色に 茜は紅に
やがて来る淋しい季節が恋人なの

丘の上 銀河の降りるグラウンドに
子どもの声は犬の名をくりかえし
ふもとの町へ帰る

藍色は群青に 薄暮は紫に
ふるさとは深いしじまに輝きだす
輝きだす